2015年4月から、メーカーから出荷されるモータはトップランナーモータとなります
2013年11月、「エネルギーの使用の合理化に関する法律(略称:省エネ法)」の政省令・告示改正(交流電動機の追加等)が公布・施行され、トップランナー対象機器に三相誘導電動機(三相モータ)が追加されました。これにより、2015年4月以降、メーカーから出荷されるモータはトップランナーモータとなります。
対象範囲
出 力 |
0.75kW~375kW |
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極 数 | 2極、4極、6極 |
電 圧 | 1,000V以下 |
周波数 | 50Hz、60Hzおよび50Hz/60Hz |
使用の種類 | S1(連続定格)または80%以降の負荷時間率を持つS3(反復使用) |
- ※
- カジワラの煮炊撹拌機KRS-1型などの小型機で使用しているモータおよび油圧モータの一部は対象外となります。
トップランナー制度
エネルギー多消費機器のうち、対象となる機器の省エネルギー基準を、各々の機器において、基準設定時に商品化されている製品のうち「最も省エネ性能が優れている機器(トップランナー)」の性能以上にする制度。
モータで消費される電力は、日本の全消費電力量の約55%、産業用モータによる消費電力量は、産業部門の消費電力量の75%を占めると推定されます。現行モータがトップランナーモータに置き換えられたとすれば、期待される電力削減量は、日本の全消費電力量の約1.5%に相当する155億kWh/年間になると試算されており、極めて大きな省エネ効果が期待されています。
トップランナーモータと現行モータで何が違うの?
- 効率が増大
- トップランナーモータは、現行モータに比べ効率が増大しますので省エネ効果が期待できます。
- 外形寸法の増大
- トップランナーモータは、現行モータに比べ外形寸法・重量が増大する場合があります。
- 定格回転速度の増加
- トップランナーモータは、一般的に現行モータに比べ回転速度が速くなります。定格電流値ギリギリの状態で使用されている場合は、回転数が増加することでオーバーロードになる可能性があるので注意が必要です。
- 始動電流の増加
- トップランナーモータは、現行モータに比べ始動電流とトルクが高いためブレーカーやマグネットスイッチなどの変更が必要となる場合があります。
- コストの増加
- トップランナーモータは、現行モータに比べコストが4~6割高くなりますが、高効率のため電力コスト削減により数年で回収されます。
- ※
- 食品加工機械で使用している現行モータが故障し、トップランナーモータと交換する場合、上記の違い(外形寸法の増大、始動電流の増加など)から簡単に交換できない場合があります。
- ※
- 2015年4月以降メーカーから出荷されるモータはトップランナーモータですが、代理店などで現行モータの在庫があれば購入は可能です。
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- カジワラの食品加工機械で使用しているモータも2015年より一部機種よりトップランナーモータへの切り替えがはじまりますが、現行モータの在庫がある間は現行モータを取り付けて出荷します。
(2014年10月15日)