森下典子 エッセイ

TOP プロフィール ご意見・ご感想 カジワラホームページ

2003年7月―NO.10

  


真夏にダレがちな食欲に
ガツン!と喝を入れてくれるのは
やはり、あの鼻腔をくすぐる
黄金色の香辛料の香り
ハウス食品の「バーモントカレー」



夏野菜
(画:森下典子)

 今年も、カレーの季節がやってきた。
 いや、カレーは一年中食べているが、真夏にダレがちな食欲に、ガツン!と喝を入れてくれるのは、やはり、あの鼻腔をくすぐる黄金色の香辛料の香りである。
 ゆうべ、我が家は、夏野菜のカレーだった。最近、これに凝っている。
厚手の大鍋にサラダ油を熱し、みじん切りのにんにくで、まずは香りをたてる。そこに、一口大に切った、玉ねぎ、にんじん、ナス、ピーマン、セロリ、かぼちゃ、ブロッコリー、豚肉などを入れ、よく炒める。
 そこにざーっと水を加え、沸騰したら丁寧にアクを取りながら、柔らかくなるまで中火でコトコトと煮込む。いったん火を止め、我が家の御用達の「ハウスバーモントカレー辛口」のルウを割りいれて溶かし、とろみがつくまで弱火で煮込む。
 ご飯は、白米でもいいが、最近、健康食品店で買った「古代米」という小豆色の米を炊いて夏野菜カレーをかけたところ、びっくりするほど相性がよかった。古代米には、日本の米にはない香りがある。エスニックな香りである。そこに、夏野菜のゴロゴロ入った黄金のルウが、とろーりとかかる。これは、繊細にして爽やか、夏の異国情緒を感じさせる。

TOP プロフィール ご意見・ご感想 カジワラホームページ


COPYRIGHT © 2003 KAJIWARA INC.