身近な生活の中のおいしさあれこれを1ヶ月に1度お届けします 森下典子
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2004年10月―NO.25
 2 

「1番」のものを2つながら口にした
「・・・・・・うわっ!」
これはもう、罰当たりなほどの美味である

クラブハリエの「バームクーヘン」と ロッテの「爽」


ロッテの「爽」
ロッテの「爽」
(画:森下典子)

 ところで、もう一つ、私がこの夏ハマったものがある。ロッテのアイスクリーム「爽」のバニラである。
 冷たいブルーの紙パッケージに入った「爽」のバニラは、蓋をはがすと、きれいな淡い黄桃色をしている。冷凍庫から出した直後はツンドラのように凍っていても、室温であっという間に適度に柔らかくなり、スプーンがスッと入る。
 初めて「爽」を口に入れた瞬間、
「……んっ!」
 と、目を見張った。ミルクっぽくて濃厚な味のアイスクリームなのに、なんと「みぞれ」のように、「シャリシャリ」するのだ。アイスクリームの中に、氷の粒が混ぜ込んであるのだった。その氷粒が実に微細で、なんとも食感がいい。「みぞれ」とも「シャーベット」とも違う。生まれて初めて「ジェラート」を食べた時の感動に近かった。
 この猛暑の夏、わが家は一体、「爽」を何個食べたろうか?
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