身近な生活の中のおいしさあれこれを1ヶ月に1度お届けします 森下典子 |
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2007年6月―NO.56 | 1 2 | ||||
きな粉のざらざらと、黒糖蜜のコクのある強い甘さが混じりあい、それがやがて、 ひんやりとしたくず餅のぶりぶりとした冷淡な歯ごたえと絡み合っていく | |||||
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さて、冷蔵庫から取り出した船橋屋の紙箱の蓋をあける。「きな粉の袋」「黒糖蜜のチューブ」の横に、白いくず餅が、のぺーっと並んでいる。よく見ると、くず餅には、もうちゃんと、小さな「台形」に切れ目が入っているから包丁で切り分ける必要もない。あとは、一切れずつ、箸か手で、涼しげな皿に盛り付け、きな粉や黒糖蜜をかければよいだけである。 | |||||
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