2007年10月―NO.60
どら焼きが薄い、ということ自体、新鮮な食感だった。 皮も餡子も甘めだが、その薄さゆえに程がいい。 梅花亭の「どら焼き」
この薄さが好き (画:森下典子)
濃い目の煎茶を丁寧に入れて、さっそくいただいた。 裏の顔をじーっと眺めて、薄い縁の、一番おいしそうな所から行く。大きな口で、埋まり込むようにかぶりつく必要はない。 どら焼きが薄い、ということ自体、新鮮な食感だった。皮も餡子も甘めだが、その薄さゆえに程がいい。 すっすっすっ、と食べ、あっという間に一つが終わった。二つ目のどら焼きに手を伸ばし、私はまたひょいと裏をひっくりかえす。