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![]() 身近な生活の中のおいしさあれこれを1ヶ月に1度お届けします 森下典子 |
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2004年7月―NO.22 | |||||
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それは「三木のり平」という偉大な存在があったからだ。喜劇役者・三木のり平さんは、桃屋のコマーシャルアニメに登場する、あの鼻メガネのキャラクター「のり平」のモデルであり、作者であり、声も自ら吹き込んでいた。「のり平」は、昭和30年代から、「サザエさん」に匹敵するほど親しまれてきた人気キャラクターだった。 当時は、どこの家の冷蔵庫にも、たいがい、扉のポケットに「江戸むらさき」が入っていた。「そろばん玉」のような形の瓶に渋い紫色のラベルが張ってあって、その「江戸むらさき」という文字を見ただけで、私の耳には、いつも、 「なにはなくとも、江戸むらさき」 という、三木のり平さんの声が聞こえた。 あの頃、日本の子供の多くが、海苔の佃煮という、伝統的な和食の味を、「のり平」キャラクターを通じて知り、風味というものの魅力を舌に覚えたのだ。 | |||||
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