身近な生活の中のおいしさあれこれを1ヶ月に1度お届けします 森下典子 |
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2005年7月―NO.33 | |||||
夏になると自然に、 「ナタデココ」や「タピオカ」などの、 | |||||
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この気候のせいだろうか。夏になると自然に、「ナタデココ」や「タピオカ」などの、アジアンデザートを食べたいと思うようになった。 私が初めて「ナタデココ」を口にしたのは、今から7、8年前のこと。それは一見すると、あんみつの中の寒天にそっくりだったが、食べるとまるで別物であった。 「ココナッツジュースを発酵させた食品」 だというが、味も香りもなく、イカ刺しにそっくりな不思議な食感がするのである。 森永の「ナタデココヨーグルト」は、小さな賽の目に切られたナタデココがコリコリし、フジッコの「ナタデココ プレーン」は、サイコロくらいの大きさがあって、噛むとブニブニとした噛み応えがする。 ブニブニと噛むと、歯がナタデココに埋まり込んで行くが、繊維質が猛烈に邪魔をして、思うように噛み切れない。噛みにくいから私は、なんだか、 「負けてなるものか」 という気分になって、思わず歯に力が込もるのである。ナタデココも、 「そうやすやすと、潰されてたまるか」 とでも言うように、最後の最後まで意地と気骨を示す。 | |||||
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