身近な生活の中のおいしさあれこれを1ヶ月に1度お届けします 森下典子
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2009年7月―NO.81

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起きぬけのカレースープの味は、さわやかな刺激である。
頭皮にじんわりと汗がにじむ。
軽く興奮したように頭の芯がカーッとし、くっきりと目が覚める。
思いなしか、いつもより「やる気」が出る気がする

GABANの「手作りのカレー粉セット」


我が家のカレースープ
我が家のカレースープ
(画:森下典子)

「これはいい!」
「うちも、やってみよう」
 私も母も決断は早かった。いざ、カレースープである。
 何回か作るうちに、わが家のカレースープは、豚肉、にんじん、玉ねぎの入った、ややとろみのあるものに定着した。作り方は次の通りだ。
 まず、大鍋にサラダオイルをひいて熱し、塩を入れ、みじん切りのニンニクをチャーッ!と炒める。にんにくのいい香りがたったところに、細かく切った豚肉を入れてジャージャーと炒め、さらに、みじん切りのにんじん、玉ねぎを加えて焦がさないように木べらをせっせと動かす。
 玉ねぎがしんなり透けてペタペタしてきたら、醤油、砂糖、酒などを加え、どぼどぼと水を注ぐ。
 鍋のスープを煮ながら、フライパンで薄力粉を空炒りする。薄力粉に丁寧に火を通さないと、あとで粉の生っぽさが残ってしまうから、ここはじっくり丁寧に……。フライパンの真ん中あたりの粉がかすかにキツネ色に色づいたところで、ジャーっと水を入れ、泡立て器でダマが残らないように薄力粉を丁寧に溶き、それを先ほどの大鍋に入れる。
 そして、鍋がふつふつと煮えてきたら、仕上げにカレー粉を入れ、味見をしてできあがり。
  私はこれまで「カレーは、よく煮込まれた翌日の方がおいしい」と思ってきたが、煮込みすぎるとせっかくの生薬の効き目がなくなってしまうと聞いて、カレー粉は仕上げに入れるようになった。

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