2009年7月―NO.81
起きぬけのカレースープの味は、さわやかな刺激である。 頭皮にじんわりと汗がにじむ。 軽く興奮したように頭の芯がカーッとし、くっきりと目が覚める。 思いなしか、いつもより「やる気」が出る気がする。 GABANの「手作りのカレー粉セット」
まぜると・・・ (画:森下典子)
わが家の朝カレースープに入れるカレー粉は、株式会社ギャバンの「手作りのカレー粉セット」である。ターメリック、コリアンダー、カルダモン、シナモン、ジンジャー、フェンネルなど、20種類のスパイスがそれぞれ小袋に分けて入っていて、それを混ぜ合わせれば黄金色のカレー粉になる。 最初から混ぜ合わせてあるカレー粉を使っても同じなのだけれど、自分で混ぜることで、20種類のスパイス一つ一つの色や鮮烈な香りがわかる。その色や強烈な匂いに、それぞれ「抗酸化作用」や「血行を良くする」などの効き目が宿っているのである。 真っ黄色いターメリック、オレンジ色のカエンペッパー、赤茶色のスターアニス、黄土色のクミンパウダーやフェンネル……。 密封された小袋を開けると、次々に強烈な個性の香りが部屋いっぱいに広がる。 「わぁー!こんなにたくさんのスパイスの色と香りが混ざり合って、このカレーの香りが生まれるのか」 それをわかって食べる方が、よく効くような気がするのだ。 効き目は、食べ始めてすぐから感じられた。 起きぬけのカレースープの味は、さわやかな刺激である。頭皮にじんわりと汗がにじむ。軽く興奮したように頭の芯がカーッとし、くっきりと目が覚める。思いなしか、いつもより「やる気」が出る気がする。 会話の中の「あれ」「それ」は、すぐには減らないが、気のせいか、次から次へと雪崩をうったように重なる「ど忘れ」には少し歯止めがかかってきたような気がする。 そして、半年ほどたった頃、鏡を見て気づいた。背中の脂肪が落ちている。体重が3キロ減った。 イチローのすなる「朝カレー」、これは確かに霊験あらたかである。