身近な生活の中のおいしさあれこれを1ヶ月に1度お届けします 森下典子 |
2006年12月―NO.50 スイスチョコレートと、スポンジと、 クルミのバランスがピタリと合って、贅沢な味がする 自分がキラキラと輝く世界にいるような、幸せを感じるのだ トップスの「チョコレートケーキ」
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2006年11月―NO.49 舌がとろんとなり、 それは、心までしみて、 私はとろんとなった さいとう製菓の「かもめの玉子」
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2006年10月―NO.48 もちもち噛むと、栗とむし羊羹とが、 実に自然で豊かな味わいに調和する その調和の中に、常に絶えることなく 竹皮の芳ばしさが漂い香る 松葉屋の「月よみ山路」
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2006年9月―NO.47 ほっこりした「芋きん」を温め直すと、 人恋しくなるような香ばしさがたつ。 その香りを嗅ぐたびに、 私は、風に揺れるススキのようだった シュウちゃんを思い出す。 満願堂の「芋きん」
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2006年8月―NO.46 サイダーの水は、ガラスのように透明で、美しい。 それが華やかに泡をまとうと、 なんだか、めでたいような、嬉しいような、 景気のいい気持ちになった。 アサヒ飲料の「三ツ矢サイダー」
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2006年7月―NO.45 どこのお店のカレーよりも 「ボンカレー」が好きだった。 舌に「ボンカレー」の味が染み付いた。 大塚食品の「ボンカレー」
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2006年6月―NO.44 ただ黙って、枝豆の滋養の味が、 細胞に行き渡るままにするこの幸せ! 脳みその神経の端々までが、 枝豆の味を読み込むように味わっている気がする。 ずんだ茶寮の「ずんだ餅」
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2006年5月―NO.43 たべものは、「もういっぱいだ」と思うより、 「もう少し食べたい」と、感じるくらいの方が、 はるかにおいしさが勝る。 空也の「空也もなか」
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2006年4月―NO.42 横浜・馬車道の交差点に立ったら、 きっと食べたいものは、 おいなりさんに変わる…… 泉平の「まぜ」
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2006年3月―NO.41 純粋に「柿の種」だけに向き合い、 歯ざわりを頭蓋骨に響かせ、 それが次第に激しく、とりつかれたように熱狂していく…… 浪速屋製菓の「柿の種」
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2006年2月―NO.40 長く厳しい冬を越えて、やっと春は来る そんな北海道の歓喜が、 このチョコレートの中に、詰まっている気がした… 六花亭の「ホワイトチョコレート」、 「ストロベリーチョコレート」
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2006年1月―NO.39 「いやぁー、さすがは伊勢の赤福だ」 と、 どこかで父の声が聞こえた気がした 赤福の「赤福」
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2005年12月―NO.38 ブリン、ブリンと噛むと、 白い身から、じわんじわんと、魚の旨みが出てきて、 口いっぱいに広がる 魚貞蒲鉾店の「すまき」
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2005年11月―NO.37 私はいつになく、一切れで満たされた 充実感とは、こうゆうものかもしれない 開運堂の「笹巻き栗むし羊羹」と「道祖神」
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2005年10月―NO.36 世の中には、舌や胃袋でなく、 心を満たしてくれるお菓子があるのだ 月世界本舗の「月世界」
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2005年9月―NO.35 独特の香りが漂って、つい、「ん〜」と、深呼吸してしまう 壽屋の「黄金芋」
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2005年8月―NO.34 ん〜、「すぐき」と茶漬けはよく似合う 土井志ば漬本舗の「すぐききざみ」
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2005年7月―NO.33 夏になると自然に、「ナタデココ」や「タピオカ」などの、 アジアンデザートを食べたいと思うようになった 森永乳業の「ナタデココヨーグルト」、 フジッコの「ナタデココ プレーン」、 安曇野食品工房の「ココナツミルクタピオカ入り」
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2005年5月―NO.32 「ん〜」 そのやさしい食感にほだされ、思わず、 自分の小鼻がふくらむのがわかった 清月堂の「おとし文」
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2005年4月―NO.31 私はこれを食べるたびに、 いつもバージョンアップの進化の過程を 頭の中で反芻してしまう 立田野の「白玉クリームあんみつ」
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2005年3月―NO.30 あの黒く焦げた皮や、 まわりにはみ出した「みみ」を思い出すと、たまらなくなる 柳屋の「鯛焼き」(「いとしい たべもの」)
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2005年2月―NO.29 スカスカの頼りなさが愛しくて愛しくて、 思い余って、いじめてやりたいような妙な心境になる ミスタードーナッツの「フレンチクルーラー」
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2005年1月―NO.28 黒豆の皮の香ばしさ。黒豆の奥の繊細な甘み もろもろの養分がぎゅっとつまった充実感 賢いような、強いような、深いような 「黒豆の命」そのものの味がした むか新の「丹波黒豆羊羹」
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2004年12月―NO.27 強く甘い果物の精のような香りが、 ゆらりと鼻に抜けた くらっとするようないい香りだった 不二家の「サバラン」
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2004年11月―NO.26 残りご飯を、こんなに贅沢な料理に変えてしまう ケチャップは、魔法のソースだと思った カゴメの「トマトケチャップ」(「いとしい たべもの」)
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2004年10月―NO.25 「1番」のものを2つながら口にした 「……うわっ!」、これはもう、 罰当たりなほどの美味である クラブハリエの「バームクーヘン」と ロッテの「爽」
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2004年9月―NO.24 その自然で、気取りのない味が なんだか体にも心にも優しく馴染む気がする 舟和の「芋ようかん」(「いとしい たべもの」)
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2004年8月―NO.23 人間は完璧なものに耐えられず ちょっと壊れたもの、乱れてものに、 心惹かれる生き物かもしれない 後文の「かんざし」
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2004年7月―NO.22 なんだか、昔いた場所に 戻ったような気がする 私の体内の血液が 「海」を思い出しているのかもしれない… 桃屋の「江戸むらさき ごはんですよ!」 (「いとしい たべもの」)
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2004年6月―NO.21 声にならない声が出て、顔が笑っていた うまいものを食べると、人は自然に顔が笑う 新宿中村屋の「ビーフカリーパン」
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2004年5月―NO.20 牛乳の自然でほのかな甘みと、 南蛮菓子の素朴な卵の風味と甘さを、共に味わいたい 松翁軒の「カステラ」(「いとしい たべもの」)
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2004年4月―NO.19 同じ鋳型にはめて焼いているのに、 「おやき」は少しずつ個性が違う なんだか、人間に似ている 十勝おはぎの「十勝大名おやき」
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2004年3月―NO.18 幸せって、こんなところにあったのか! 幸せって、メロンパンの表面に 薄く塗られていたのだ 山崎製パンの「メロンパン」
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2004年2月―NO.17 「どん兵衛」自身の味が好きだ 「どん兵衛きつねうどん」は、 「どん兵衛きつねうどん」なのだ 日清食品の「どん兵衛きつねうどん」(「いとしい たべもの」)
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2004年1月―NO.16 思い焦がれた「花びら餅」は、 まさに想像したとおりの味がした 私はその時、「満足」とは、こういうことをいうのだと思った とらやの「花びら餅」
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2003年12月―NO.15 卵の黄身の濃厚な風味と甘さ…… 歓喜しながら、瞬く間になくなってしまっていく 小さな金色の藁束を、惜しむように食べた 石村萬盛堂の「鶏卵素麺」
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2003年11月―NO.14 ふわふわの「ブタまん」を頬張ると、 自分がものすごく無防備で 幸せそうな顔になるのがわかる 江戸清の「ブタまん」
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2003年10月―NO.13 お椀一杯なのに、 なんだか湯舟に肩までひたり、 のびのびと手足を伸ばしたような気分になった 永谷園の「あさげ」「ゆうげ」
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2003年9月―NO.12 上質の素材を使って 丹念に作られた羊羹の味は すぐにそれとわかるのである 八木菓子舗の「元祖 三石羊羹」
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2003年8月―NO.11 ソースさえうまければ、何もかもおいしい ソースとは、そうゆう魔法の液体なのだ ブルドックソースの「ブルドックとんかつソース」 (「いとしい たべもの」)
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2003年7月―NO.10 真夏にダレがちな食欲にガツン!と喝を入れてくれるのは やはり、あの鼻腔をくすぐる黄金色の香辛料の香り ハウス食品の「バーモントカレー」(「いとしい たべもの」)
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2003年6月―NO.9 驚きだった。こんな水羊羹、初めてだった やられた!というか、もう、たまらないのである たねやの「本生水羊羹」(「いとしい たべもの」)
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2003年5月―NO.8 にぎやかな旨さは、 何となくどこかへ出かけたい気持ちを呼び起こす ふっと、レンゲ畑がみたくなった セブンイレブンの「ご予約弁当」
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2003年4月―NO.7 上品な餡の甘さと、塩気のきいた桜葉の香りが混ざり合う そのバランスは、他のどんな味にも似ていない 長命寺桜餅山本やの「桜餅」
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2003年3月―NO.6 「シウマイ弁当」を食べる時、 自分の幸福の配分について、考えているのかもしれない 崎陽軒の「シウマイ弁当」(「いとしい たべもの」)
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2003年2月―NO.5 なんだか、自分が受け入れられ、 肯定されているような感覚を覚える もはや、私の人生の一部になってしまっている サンヨー食品の「サッポロ一番みそラーメン」 (「いとしい たべもの」)
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2002年12月―NO.4 どっちも最高 卵焼きは、わざわざ買いに行くべきものである 松露の「玉子焼き」となだ万厨房の「だし巻玉子」
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2002年11月―NO.3 たった一つの小さな柚子まんじゅうの中から、 繰り返し放たれる甘さと香り 長門の「柚子まんじゅう」
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2002年10月―NO.2 まるで秋の森の小道を散策しているみたいな 深い気持ちになる アール・エフ・ワンの「森のきのこサラダ」
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2002年9月―NO.1 ぽくぽくとした歯ごたえと、 それにからまるモチモチ感 今年もちゃんと、秋が来た… 鶴屋吉信の「栗まろ」
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