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 2018年1月―NO.175
 心が甘さに飢えた大人に、上等なラブコメディーのように、甘い甘い夢を見せてくれる。
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 2017年9月―NO.174
 石板のような硬さと冷たさの中に、上品な甘味を感じる。ペロリ。またペロリ……。少しずつ味わう中に、小豆の風味がほのかにした。
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 2017年8月―NO.173
 石板のような硬さと冷たさの中に、上品な甘味を感じる。ペロリ。またペロリ……。少しずつ味わう中に、小豆の風味がほのかにした。
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 2017年7月―NO.172
 具のない素まんじゅうに味噌だれ。この素朴極まる郷土食の、たまらない滋味と優しさ!
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 2017年6月―NO.171
 四十五年、愛され続けるには理由がある。
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 2017年5月―NO.170
 柔らかい餅と、みそ餡のまろやかな甘じょっぱさが混じり合う。その瞬間、鼻の奥にスーッと、青々とした柏の葉の香りを感じた。
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 2017年4月―NO.169
 漂って止めがたい和の香りを、ゼリーに閉じ込めるとは、なんと洒落た大人の計らいだろう。
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 2017年3月―NO.168
 天女の羽衣のような色を、見れば見るほど恍惚となった。どんなに見ても飽き足らず、何粒食べても、もっと食べたくなる。
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 2017年2月―NO.167
 人を驚かすって、実に楽しい。
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 2017年1月―NO.166
 私は時々、あの丼の底の見えないこってりとした醤油色のスープを思い浮かべる日がある。どうやら、徳島ラーメンの底深さに、捕まってしまったらしい。
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 2016年12月―NO.165
 来年こそは是非、情熱的に燃え上がる秋の色で包んだ寿司を味わいたい。
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 2016年11月―NO.164
 菓子器を開けると、白とグレーの地味な生菓子である。けれど、菓子楊枝で切った途端、「わぁ!」と、灰に埋もれた奥の火に歓声が上がった。
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 2016年10月―NO.163
 かつて遊郭からの注文も受けていたという店だ。花魁たちも、この菊最中を味わっていたことだろう……。
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 2016年9月―NO.162
 口に入れると、アーモンドの風味が香り、「サクサクサクサク」 「パリパリパリパリ」と、実に心地よい音が頭蓋骨に響く。
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 2016年8月―NO.161
 これはうまい。大人向けの餡子だと思った。
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 2016年7月―NO.160
 「あじさいだよ」
 「わぁ、きれい……。季節だねえ」
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 2016年6月―NO.159
 むしむしする日には、すっきりとしたレモン風味の白蜜がいい。涼やかなガラスの器で、冷たく甘酸っぱいくずきりを、つるつると啜りたい……。
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 2016年5月―NO.158
 「世界一おいしいチョコレート」と称されるベルギーのチョコ。
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 2016年4月―NO.157
 桜を思い、桜で遊ぶ。そんな国に生まれてよかった。
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 2016年3月―NO.156
 饅頭の皮はしっとりとした薯蕷で、おいしそうだ。
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 2016年2月―NO.155
 「酢味噌」と「からし酢味噌」さえあれば、なんだか野草を食って生きていけそうな気がする
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 2016年1月―NO.154
 パイの軽やかさに誘われて、つい二本、三本と続けて食べてしまうのだ。
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 2015年12月―NO.153
 叔母に促されて蓋を開けた瞬間、「………!」私はあまりの美しさに声を失った。
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 2015年11月―NO.152
 味のある、私的三大和菓子である。
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 2015年10月―NO.151
 うまい……。私が小学生の頃に食べたコロッケパンが、まさにこんな味だった。
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 2015年9月―NO.150
 今夜は、二十数年ぶりにおでんである。目指すのは、小学校四年生の夏休みに食べたプールサイドの味だ。
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 2015年8月―NO.149
 わが家の家族にとって、焼ビーフンは、とりもなおさず父の思い出である。
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 2015年7月―NO.148
 徹夜明けの「ペヤング」はうまかった。解放感と空腹には、ソース焼きそばのジャンキーな香りでなければならなかった。麺のウェーブに絡んだ甘辛いソースのフルーティーな味が、青のりの風味が、疲れた体の欲求に応えてくれた。
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 2015年6月―NO.147
 しめ鯖の瑞々しさと、ほんのり甘い米とのバランス、柿の葉の香り……。
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 2015年5月―NO.146
 頭の中で「お江戸日本橋七つ立ち」のメロディーが聴こえるような気がした。
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 2015年4月―NO.145
 新鮮なミルクの風味が白餡と混じり合い、ふわふわした餅の食感とないまぜになって、口の中ではかなく消えていく……
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 2015年2月―NO.144
 表面は薄氷をかみ砕く食感だが、中はとろりとして、その混ざり合う感触が小気味いい。表面が白く糖化しているというのに、甘みがくどくない。それは、甘みが少ないのではなく、たぶん、純粋なのだ。
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 2015年1月―NO.143
 大ぶりなのに、次から次へと箸が止まらず、いちいち「う、うまい」と、呻いてしまう。
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 2014年12月―NO.142
 ギュッと詰まった濃厚なうまみと、香辛料のバランスに、なんだか本格的なヨーロッパの味がする。
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 2014年11月―NO.141
 噛む必要など一切ない。舌と上あごの間で、 くだけ、ほどけ、とろーんと水になって、体にしみた。
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 2014年10月―NO.140
 京都の味といえば「にしんそば」。そんな「にしんそば」のおいしい季節が、今年もやってきた。
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 2014年9月―NO.139
 薄くコーティングされたホワイトチョコレートの下のケーキもしっとりとして、ふわふわと沈み、レモンの風味が香る……。
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 2014年8月―NO.138
 小川軒のレイズン・ウィッチには、どこかバブル時代より前の、古き良き東京の味がする。モノづくりの丁寧な心と、高級な大人文化が生きていた東京の味である。
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 2014年7月―NO.137
 私が好きなのは、オーソドックスで素朴、そして幸せそうな色をした。
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 2014年6月―NO.136
 甘酸っぱい梅の味に、顔の真ん中がキュッとすぼまった。と同時に、口の中いっぱいに爽やかな梅の風味が広がり、新鮮な唾液がいつまでも尾を引くようにあふれるのである。
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 2014年5月―NO.135
 プルプルとしたのを楊枝で切って口に入れると、ひんやりとしたものが、ゼリーのようにつるんと喉に滑り込み、笹のさわやかな香りと一緒に優しい甘さが口に広がり、実に快い。
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 2014年4月―NO.134
 串に四つ刺さった扁平な餅の、柔らかそうな艶肌……。生醤油をつけて焼いた茶色い焦げ目。そして、見るからにあっさりとした漉し餡の、美しい淡い紫……。
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 2014年3月―NO.133
 どこか、早春の冷たい風の中の、一筋の梅の香りを思わせた。
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 2014年2月―NO.132
 時代を超えても変わらぬ真面目な風味が、鼻孔をくすぐった。
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 2014年1月―NO.131
 「カリっ!」そうだ。この乾いた音が聞きたかった!「ガシャ!」と、砕ける、この快感が懐かしい。これぞ私が愛したかりんとうだ。
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 2013年12月―NO.130
 この豆大福と、蒸しきんつば、父が食べたら何と言ったろう。きっと、驚いた顔で「うんまい!」と唸ったに違いない。
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 2013年11月―NO.129
 肉のいい香りと、カツの衣の食感と、まろやかなソースの味と、パンの優しい香ばしさが口の中で混じり合う。
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 2013年10月―NO.128
 蓋を開けた途端、おかずの色どりの豊さに、思わず「わぁー!」と声が出た。そして、一つ一つ、口に入れるたび、丁寧な味に唸らされた。
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 2013年9月―NO.127
 予定調和に流れがちな味に、意外性の一石を投じた確信犯的な料理かもしれぬ。
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 2013年8月―NO.126
 あのふわふわ、とろとろとして、しなだれる感触。しっとりしていながら、さっくりと軽くて、口の中でとろーっとほどける食感……。
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 2013年7月―NO.125
 甘酸っぱい醤油ダレとからみ合った細麺の特有の歯ごたえ……。その時、私の鼻の奥に、青空の下のプールの水の匂いが、一瞬がよぎる。
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 2013年6月―NO.124
 あぁ、京都だなぁ……と思った。白く美しくモチモチと柔らかい。ほのかな甘さで、小ぶりで、ほんの二口、三口で終わってしまう。
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 2013年5月―NO.123
 錦玉の透明度が高く、ほのかに青い。光の加減で、微妙に紫を帯びているようにも見える。その色が、何とも涼やかでひんやりと見える。その美しい青を透かして、かすかに白餡が見えている。
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 2013年4月―NO.122
 インスタントラーメン史に、新たな歴史が生まれたことは、疑いがない。
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 2013年3月―NO.121
 おいしさとは、記憶の安心感だ。この味は、昔から多くの文人墨客にも愛されてきたのだ。
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 2013年2月―NO.120
 口に入れた途端、それはみずみずしくとろけて形を失い、舌の味蕾に優しい甘さの印象だけが残った。
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 2013年1月―NO.119
 黒い奈良漬を味わった時、思った。(「コク」とは、この味かもしれない……)そのコクを見極めるように食べ続けていると、やがて目のあたりがボーっとして、いい気持ちになってきた。
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 2012年12月―NO.118
 口に入れると、皮は「どら焼き」のようにしっとりしていて、中には餡がみっしりと入っている。形は小さいが、ほどよい甘さと小豆の風味が、歩き疲れた体に浸み渡る。
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 2012年11月―NO.117
 特別変わったものがはいっているわけではない。ラム酒に漬かったレーズンだけだ。それなのに、パウンドケーキの本当のおいしさというものを初めて知った気さえする。
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 2012年10月―NO.116
 久々に、土鍋を開けると、牛蒡や鶏肉、椎茸、栗……。一つ一つの具を味わいながら、あの横川駅のおじぎを思い出した。
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 2012年9月―NO.115
 そもそもは遣唐使が持ち帰ったという歴史的な価値がある。当時は貴族の口にしか入らないとんでもない高価なお菓子だったのだ。
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 2012年8月―NO.114
 口に入れると、餡子の上品な甘みと、もちもちとした求肥の食感が混じり合い、口いっぱいに優しい味が広がった。
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 2012年7月―NO.113
 小さく切り分けた、このミニチュアの西瓜を口に入れると、 西瓜の味はついていないはずなのに、夏の縁側の解放感と蝉の声を思い出す。
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 2012年6月―NO.112
 「はーっ」このほどけるような柔らかさ、葛の風味の繊細さ。そして、葛焼きの後にいただくお茶の、なんとおいしく舌にしみいることか。
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 2012年5月―NO.111
 ひんやりして甘い。……ところが、その甘さの中に、何やら異質な味が入り混じる。味噌のような風味で、初めは異質に感じるが、口の中で甘味と入り混じり、次第にさっぱりとした大人の味に変わる……。
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 2012年4月―NO.110
 「茂助だんご」を食べるたび、私は「団子の美学」とでも言うべきバランスの妙を感じる。
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 2012年3月―NO.109
 ふと「春の神」の裳裾に触れた様な気がした。
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 2012年2月―NO.108
 その旨みは、去って行く懐かしい人の後ろ姿のように、いつまでも後を引いた。
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 2012年1月―NO.107
 カリッと乾いた表面の素朴な触感が、頭の中にザクザクと響く。 中のふわふわ。そして、甘みとアーモンドの香ばしさ……。
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 2011年12月―NO.106
 それは、今まで食べたどのアップルパイとも違っていた。シロップに漬けこんだ丸ごとのリンゴの歯触りがシャキシャキと生きている。それを包んだ薄いパイ皮のバターの香りが、香ばしい。
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 2011年10月―NO.105
 値塩が甘味を引きたてているのではない。甘味が塩を引き立てている。主役は「塩」の方だ。その塩味が、全体をまろやかに包んでいる。
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 2011年9月―NO.104
 値千金の、その一すすりを、私は忘れることができない。三陸の海は、なんて豊かで濃厚な味がするのだろう。あまりに奥深く、濃厚な味に、正座し直して、すすった。
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 2011年8月―NO.103
 うまい……。実にうまい。体が、「もっと、もっと!」と欲しがるのだ。
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 2011年7月―NO.102
 あくまでも白く白く透け、もちもちと柔らかく、ぷりぷりと弾力があって水も弾く……。皇帝を虜にした傾国の美女の肌を思い描きながら、私はビールを片手に、「笹かまぼこ」をかみしめる。
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 2011年6月―NO.101
 「形あるものは何もなくなったが、酒造りの技術と心は残っている……」何年か先の冬、祖父と父が好きだった、あの白い酒を味わう日が、またきっとくる。
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